タブレットを使った授業は不適切?紙と鉛筆の教育へ戻る流れにモヤモヤ…
アナログへ戻ろう!
いまや子どもたちの学校教育にも、着々とデジタル化の波が訪れています。しかしながら、この流れに逆行するかのような新教育方針が、このほどスウェーデン政府によって推奨されたそうですよ。
デジタル教育への懸念
The Guardianは、スウェーデンのLotta Edholm教育相が中心となり、紙の教科書を用い、手書きのノートを取って教育を受ける重要性が強調されていることを報じました。
先月、スウェーデンの教育委員会は、さらなるタブレット教育推進のため、幼稚園の段階からタブレット端末を支給して活用していく方針を提言。
この提言を不適切とし、いきすぎた教育のデジタル化に歯止めをかけようという動きなんだとか。
デジタルツールは生徒たちの学びを向上させるというより、阻害してしまうことを示す明確な科学的根拠がある。紙の教科書ならびに(人間の)先生の授業を通じて知識を得る方向性へと戻るべきであり、正確性が保証されない無料のデジタル情報源に頼って知識を得ることに重きを置くべきではない。
スウェーデンのKarolinska Instituteは、今回の教育相の推奨方針発表に合わせ、このような声明を出しました。
小学4年生を対象に、国際的な学力判定指標となる「Progress in International Reading Literacy Study」のテストが実施されたものの、前回の調査でスウェーデンの成績は大幅ダウン。そこに危機感を覚えた政府が、学力低下はデジタル化のせいとの判断を示した形ですね。
AIを教育にフル活用してよいものか? いまそんな議論も沸騰中ですけど、それ以前にデジタルツール活用にさえ待ったをかけるとは、なかなかのものでしょう。でも、紙に手書きという文化に共感を覚えてしまうのは、これもジェネレーションギャップゆえのもの…?
Source: The Guardian
2023.9.18 GIZMODO JAPAN
筆者のつぶやき
義務教育9年+高等学校3年+短期大学2年+大学5年+大学院1年目=学校生活20年の筆者はアナログ教育とデジタル教育の2通りを経験してきました。短大の時の記憶は遥か昔の記憶なので授業がパワーポイントで進められていたのか覚えていませんが、デジタルになって便利だと思うことは沢山ありました。大学では授業中に携帯電話やタブレットの使用が認められているため、教授の講義の中でわからないワードの検索、漢字を調べたりしていました。大学院はPCの持参が求められ、PCを見ながら授業を受けます。授業もパワーポイントが使用され、ノートに写しきれない場合は写真を撮ることも出来て便利な反面、教師が黒板に書く訳ではないので、ノートに記入している間に次のスライドに進んでしまいます。先ほども述べたように写真を撮ることも可能ですが、ノートに書く、写真を撮ると工程が多いため頭に入らないことが多いです。現役の大学生はノートの代わりにタブレットを使用して授業を受けていますが、デジタル時代が長かった筆者はやはり、自分なりの書き方でまとめることで頭の中に定着して、考えた時にそのノートの配置などが頭に浮かぶことが出来ます。先日、不登校の特例校に視察に伺いましたが、ペーパーレス授業を行っているみたいで生徒はタブレットを使用していました。近年では、デジタル化が推進されていますが、すべてを合わせるのではなく、その人その人にあった適した方法を選択できれば良いのでしょうね。