「校内フリースクール」拡充 文科省概算要求 不登校の子ども支援

2023.9.3 15:33
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文部科学省は、空き教室を活用して学校内で不登校児童生徒をサポートする「校内教育支援センター」を拡充するため、新たに設置する自治体に必要経費を補助することを決めた。クラスの中に入れない子どもにも学校内の居場所や学習環境を確保するのが狙い。来年度予算案の概算要求に5億円を計上する。関係者への取材で25日、分かった。         文部科学省の2021年度の調査では、全国の国公私立小中学校で不登校児童生徒は約24万5千人と過去最多。一方で36.3%に当たる約8万9千人は専門的な支援を受けられていなかった。公的な不登校支援には、不登校特例校や校外の教育支援センターなどがあるが、遠方に住む児童生徒は通うのが難しく、新設には予算面のハードルが高い。        校内教育支援センターは、空き教室を使うため費用が比較的にかからず、もともと通学していた学校にあれば距離的な負担は小さい。ただ、指導者の確保などが課題となっており、今年2月時点で全小中学校に設置しているのは228自治体にとどまる。文科省は3600校分の補助金に加え、学習指導員を確保するための補助金も拡充して後押しする。      センターは「校内フリースクール」とも呼ばれる。教員や学習指導員が児童生徒に合ったペースで生活や学習ができるよう支援している。既に設置している自治体では、1人1台配備のデジタル端末を使い、オンラインで在籍するクラスの授業を受ける例もあるという。  文科省はこれとは別に、児童生徒がオンラインで授業を受けたりするため教育施設の情報通信技術(ICT)環境の整備や、不登校特例校の設置を促進するための費用も概算要求に盛り込む。                   

信濃毎日新聞 2023.8.26(土)

筆者のつぶやき

議事録(令和4年度第9回定例松本市教育委員会 会議議案)によると、松本市の小中学校には校内中間教室が存在している。学校支援室では、山間小規模校を除く全小中学校に、不登校の児童生徒や、登校しぶりなど不登校傾向の児童生徒を対象として支援を行う自立支援員を配置し、校内にも中間教室を設置して支援を行っている。現在、自立支援教員がいる学校で校内に中間教室が設置されているのは、小学校28校中20校、中学校19校中14校と記載されている。  8月15日に松本市の伊佐治教育長と対談した際、松本市には各学校に中間教室を設置して不登校傾向、不登校児に対する対応が行われているが、通学している当事者や保護者がその存在を周知していない場合もあるので、HPなどで設置している学校の詳細を記載して、情報が共有できるようにして欲しいと提案させて頂いた。今まで、大学院の受験で不登校は現代課題ではないと言われたこともあったが、文部科学省が不登校を社会問題、現代課題として捉え力を入れ始めた姿を見るとようやく不登校に対して認識が変容してきたことが窺える。来年度から補助金を拡充して後押しするということなので、情報発信だけでなく、不登校児に対する対応の研修、不登校・ひきこもりに対する理解のある教員の配置が求められる。不登校やひきこもりは限られた人だけでなく誰にでも起こり得ると定義される時代、当事者やその保護者だけでなく、多くの人が他人事ではなく自分事として捉えられるように今後も啓発活動を進めて行きたい。

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