愛知県の不登校の取り組み
2024年12月13日に豊田市市民会館で「特定非営利法人COM’ON FORNIPPON(カモン フォーニッポン)さん主催で行われた「不登校シンポジウー学校に行けない子の支援、どうしたらいい?」にて、豊田市教育長、日進市教育長、みよし市教育長が各市の取り組みについて発言しました。それを基に筆者が愛知県の各市の取り組みについて3回に分けて詳しく説明していきます!
豊田市の不登校支援の取り組み
①「不登校対策推進委員会」の設置
不登校対策について検討したり、保護者や教員への啓発による支援を行っている。
②各校での取り組み「心の教育」
「いじめや不登校はどの児童生徒にも起こりうる」という共通の認識をもとに、各校で「心の教育」を実施している。
③「教育相談コーディネーター」の配置
令和3年度から新たに「教育相談コーディネーター」を各学校で選任し、全校児童生徒の心の状況を把握できる組織・相談体制づくりを強化している。さらに、全職員で相談支援を行うために、学校いじめ防止基本方針を策定し、定期的にいじめや不登校対策委員会を開き、いじめや不登校の未然防止、早期発見、対応を行っている。
④「不登校の研修」を開催
教員や保護者向けに研修を開催するとともに、スクールカウンセラーを全校に配置したり、スクールカウンセラーが校内教育委員会に参加できるようにしたりすることで、児童生徒の悩みや不安の早期発見、早期解決を図るように支援している。
⑤「青少年相談センター(パルクとよた)」
豊田市教育委員会が運営している、パルクとよた(教育支援センター)では、不登校児童生徒の社会的自立に向け、パルクはあとラウンジを開催している。豊田市は6つの都市部と山側が合併した市のため巨大な市である。そこでサテライト会場として、「ほみ」「あすけ」「なんぶ」「しもやま」が公共施設を活用して実施している。
⑥「フリースクール等利用支援補助金制度」を開始
豊田市は、令和5年度から不登校児童生徒への包括的な支援を行う「居場所みつけプラン」を推進し、不登校児童生徒が社会的自立に向けて、他者や社会と関わるための支援に取り組んでいる。その一環で、経済的に困難を抱えている不登校児童生徒が地域等のつながりの中で社会的自立を図る環境を整備するため、安心して過ごせる学校外の居場所であるフリースクール等を利用する際の利用料等を補助する制度を開始した。補助対象経費は、フリースクール等の利用料、教材費、実習活動や行事等にかかる経費など…月額上限は児童生徒1人あたる2万円です。
https://www2.toyota.ed.jp/swas/index.php?id=palctoyota&frame=tokusyoku
⑦「校内はあとラウンジ」開設
令和5年度より、学級に入ることが苦しい、登校することが精一杯という児童生徒が過ごせる校内の居場所として「校内はあとラウンジ」の整備が随時進められている。各校の実績に合わせ、子ども達の「居場所みつけ」が行われている。(校内はあとラウンジは、学校によって名前が異なる場合があります。)
⑧「ハイパーQU検査」の導入
豊田市は、不登校の未然防止に向き合い、ハイパーQU検査を導入している。ハイパーQU検査とは、学校生活における児童生徒の満足感や意欲、学級集団の状態等を質問紙によって測定するものです。
➈「継続的な支援」
不登校の児童生徒だけでなく、ドロップアウトしてしまった高校中退者の居場所づくりにも力を入れています!
➉「とよた学びの座談会」
年間2回開催されている。民間支援団体、公設支援団体、行政、親の会、学識経験者(大学教授)がそれぞれの活動を尊敬し、活動内容を知りながら、不登校の児童生徒やその保護者を支えていくという同じ目標のもとにフラットに話し合える会議です。グループラインを活用して他の都道府県の先進的な取り組みを紹介したり、文部科学省の制度の話など、気付いた人が発信して情報交換も行っています。
以上、豊田市は様々な不登校支援を実施しています。行政も力を入れて支援していますが、民間の支援団体が行政とフランクな関係で共に支援を実施していこうという姿勢を強く感じました。