不登校特例校 星槎名古屋中学校に視察に行ってきました

2023.9.7 10:19
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星槎名古屋中学校(せいさなごやちゅうがっこう)は、平成24年文部科学省により「不登校児童生徒等に対する特別の教育課程を編成して教育を実践する学校」に指定され、不登校経験のある生徒、または不登校傾向にある生徒に対して、特色ある授業を展開している。子どもたちが学校に合わせるのではなく、学校が子どもたちに合わせる学校があってもいいよね!という発想から星槎は誕生しました。

「なぜ、みんなと同じようにできないのだろう?」「なぜ、みんなと同じじゃないとだめなんだろう?」と疑問を持ちながら過ごす学校生活ではなく、一人ひとりが自分らしくワクワクするような学校生活を過ごし、自分にあった学習方法や自分にあったタイミングで特別活動に取り組めるようなプログラムを実践している学校です。

めざす学校像は、

  1. 生徒を主人公とした、地域とともに歩み・貢献できる学校
    (◆すべては生徒たちのために◆一人ひとりの個性に合わせて◆生徒たちを孤立させないように)
  2. 共感理解教育の実践
    「共感理解教育」を教育活動の中心におき、仲間とともに、身近なことがらに興味の対象を求め、繋がりの中で学ぶ。
  3. 不登校等の生徒に対応するモデル校 

不登校であった生徒が、楽しく張りのある中学生活を送れるように様々な配慮し、「生徒たちが主人公となれる学校」として、広くその教育活動を発信する。星槎名古屋中学校は、”夢に向かって人生をきり拓くなごやっ子”の育成に向かって、地域とともに歩み・貢献できる学校を目指しています。

校訓 ◆「労働」人のために働くこと ◆「感謝」いつも感謝する気持ちを忘れないこと ◆「努力」努力をし続け、決してあきらめないこと 

星槎の3つの約束(星槎に関わるすべての人たちの約束)1.人を認める 2.人を排除しない 3.仲間を作る

星槎の心 共に生きる。共に育つ。共に生きることは人間の大切な徳である。教育はこころの豊かさを生み 教育はこころの信頼を生み そして、共育はこころの喜びを生む。その精神(こころ)を持つためにこころの耕作を続けよう。

特徴 

1.先生みんながカウンセラー 様々な分野での相談相手になってくれる 

専門のスクールカウンセラーがいるという環境の中で安心して学校生活を過ごすことができる。思春期特有の悩みや課題の早期発見に向けたカウンセリングや個別指導計画の作成に向け、心理検査も行っている。また、先生は全員「支援教育カウンセラー※1」の資格を取得しているので安心して相談できる。さらに、個別学習の時間を活用して、全生徒の声を聞く時間を設けている。校長室のドアにwelcomeのプレートがかかっている時は校長先生にも話ができ、保護者も利用している。

※1支援カウンセラーとは、エビデンス(証拠・根拠、証言、形跡などを意味する英単語)をもとにして生徒への対応ができるように研鑽(学問などを深く研究すること)を積んでいる証であり、アセスメント・合理的配慮・実践的かかわりなどを軸として、教育現場で活かせることを目的にした資格。

2.ピア・チューターの育成

ピア(peer)は仲間、チューター(tutor)とは講師とか指導員と訳されている。星槎名古屋中学校のピア・チューターは『人の役に立ちたい」と思っている生徒に研修を行っている。講習を修了した人には認定書を発行し、様々な場面で活躍している。

3.メンタルサポーターが身近にいる

教員やカウンセラーを志望している大学生が、生徒の自己実現に向けたロールモデル(将来あの人のようになりたい、という行動の模範となる人)として生徒の目標になっている。また、生徒に寄り添う中で悩みを相談することもある。

4.生徒同士の繋がりがあるから、登校したいという意欲になる

各学年のピア・チューターが中心となって同じ経験を持つ、生徒という立場での関わり合いの中で、教え合い、補い合うことが基本になっている。心理的交流プログラムなどを導入し、生徒間の心の交流を促し、学校生活の中で何気ないサポートが不安の解消に繋がっている。星槎の「3つの約束」の実践を行っている、自慢の生徒たちです。

5.夢中で取り組めるゼミ授業

生徒自身が探究したい講座を選び、実際に体験したり、報告しながら専門性を広げられるゼミ授業は、生徒からも人気の授業。資格取得から趣味の領域まで、幅広い分野から自分の強みを高め、主体的に行動する力を養う。【ゼミ一覧】「SDGsゼミ」「学びチャレンジゼミ」「パフォーミング・アーツゼミ」「ハンドメイドゼミ」「エンジョイアナログゲームゼミ」「礼法ゼミ」「eスポーツゼミ」「絵画ゼミ」「プラモつくろーゼミ」

6.SUR(ステップアップルーム)

教室で授業を受けることが辛くなったら、先生に相談してステップアップルーム(SUR)を利用できる。学習スペースでタブレットで教室の授業を受けたり、リラックススペースで養護やカウンセラーの先生と相談したり、気持ちを落ち着かせたり…頑張りすぎずに学校に通うための居場所があるから安心して通える。

7.誰もが理解しやすい「ユニバーサルデザイン型の授業」

A.通常学習における活用 

すべての授業でタブレットを活用し、ハイブリット(対面・オンライン)で授業を行っている。授業ではリアルタイム授業支援アプリの活用により、授業中の学習状況をリアルタイムでモニタリングできるため、個々の学習の進度・深度を把握することができる。さらに、ワークシート配布や提出もすべてこのアプリを活用している。

B.個別の時間における活用

無学年AIアプリを活用し、自由進度学習を行っている。長期休暇での宿題も個々に合わせた提出や、単元テストでも活用している。

8.生徒一人ひとりに合った学びの提供

➀ 単元テストで「できた!」を増やす

授業の進度に応じて、単元テストを実施。決められた期間で、出題範囲が多い定期考査をやめて、 短い範囲で理解度を確認する小テストを導入。「できた!」という経験を増やして、自己肯定感アップを目指す。

➁ 「学年チーム担任制」

1人の担任だけでなく、複数の担任によって子どもたちに向き合うシステム。より多くの視点で子どもたちの変化を見落とさず、話しやすく相談しやすい先生が常にそばにいる状況をつくり、個々のニーズに応えることを目標にしている。

➂個別支援計画(ステラプラン)で生徒に合った目標設定と進路の実現をめざす

「ステラプラン」は、生徒の特性に合わせた「好き」を追求しながら長所の伸長を図る、星槎グループ独自の個別支援計画。生徒・教員・保護者が足並みをそろえて情報を共有し、日々の学習達成状況や目標を、リアルタイムで確認が可能。また定期的に面談を実施し成果を確かめながら、一人ひとりに合った進路実現をサポートしている。

➃目的別授業を活かした教育

卒業後の進路目標に応じて、英・数2科目については将来設計を意識した学習プログラムを実施。個別の支援計画を立てたときの目標を達成するために、wisc等の心理検査や学習達成度などのデータを基に、個別面談を行う。キャリアデザインを意識したオープンクラスから、実践力・応用力を身に付けるクラスまで、一人ひとりの目標の達成に向けて学習を進めている。

➄より特性に寄り添う「授業コンテンツ」

視覚、聴覚優位の認知特性を活かし「分かった!」を増やしていくために、本校の教員が解説動画を作成している。学び直しや、欠席した生徒が活用している。

星槎名古屋中学校の1日

星槎名古屋中学校ホームページ↓

星槎名古屋中学校のホームページ (seisa-nagoyajh.ed.jp)

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